水素燃焼の秘密

水の元素記号を知らない者はいないでしょう: H2O. また多くの者は水が生成される化学式を書けるでしょう: 2H2 + O2 = 2H2O. しかしこの化学反応の過程を説明できる者は果たして何百万分の1いるのでしょうか。すべてを説明する動画を ご覧ください。


水素の泡

「水に小石を投げた時、波紋の中で作られるものを観察せよ。さもなくばこの投下は無意味な遊びであるのみだ。」- Kozma Prutkov

水素の泡が美しく輝いている! 私は、子供と一緒に実験で水素の泡に火をつけてみるのが好きです。子供は、水素が燃えると水が発生するこの事実にいつも驚くのです。しかし大人はこの事実にすっかり慣れてしまっています。大人にとっては何の不思議もない、周知の事実だからです。:

2H2 + O2 = 2H2O

あるいは、

H2 + H2 + O2 = H2O + H2O


でもみなさんはこの事実を一度でも検証したことがあるでしょうか?この化学反応がどう書かれているのか見てみましょう: 一つの式に二つの酸素分子があるから二つの水分子が形成されているでしょうか? そうではありませんね。三つの分子が 一つの式の中で結合する可能性は非常に低いでしょう。ではそうでないなら、どういうことか? みなさんはこの答えをもうじき知るでしょう。

単純な水素で単純でない反応

水素とは– 原子のもっとも簡単な組成物です。一つの電子が核の周囲を循環して一つの陽子を形成しています。 これ以上単純になり得るでしょうか? でも驚いたことに、水素の燃焼過程はこれほど単純ではありません。

知り合いの化学者がいたら水素の燃焼過程について聞いてみてください。きっと10人が10人とも答えられないか間違った答えをすると思います。

20世紀前半まで人類はこの反応を知りませんでした。1956年、これを説明した人にノーベル化学賞が授与されました。

実際、これは複雑な反応というわけではありません。この後、ビジュアルマイクロスコープで水素の燃焼がどのような過程をたどるのか見てみましょう。

自分の目ですべてを見るのです。ただ、昔はこのように化学反応のメカニズムを見ることができるようなビジュアルマイクロスコープなどがなかったということは 留意しておくべきでしょう。

大規模な爆発

小さな水素の燃焼はさほど危険ではありません。これから泡に火をつけようとするマッチの燃焼力は、燃える水素の10倍のエネルギーを使っています。

しかし水素が大量にある環境下では、致命的な危険がもたらされる可能性があります。おそらく、史上最悪の悲劇として挙げられるのは1937年に乗員乗客97名を乗せてドイツからアメリカ合衆国へ向かっていた豪華飛行船ヒンデンブルク号の爆発でしょう。

飛行中に放電が発生し、飛行船内に充満していた水素の爆発を引き起こしたと言われます。この悲劇では36人の生命が奪われ、結果としてすべての飛行船開発が終焉を迎えることになりました。

さて今度は爆発の内部を検証してみましょう

先にお約束したように、これから、実際に水素の燃焼がどう行われるのかをご覧にいれたいと思います。この短い動画の中で我々は分子同士の分かれ目が見えるように水素と酸素の結合の爆発の中に入り込みます。そこで何が起こるか見てみましょう。